児童相談所の経験2
初日
私が一時保護所に入所した当時、女子が私しかいなかった。
他の5,6人は全員男子だったので食事は多目的室には行かずに自室で一人で食べた。
一日中ひたすら部屋に籠って外から聞こえてくる男子の声を聞く日が続いた。
初日の夕方頃に学校終わりの弟も到着。
私は部屋から出られないので、顔は合わせず。
一人なのは平気だが、ネット依存に片足を突っ込んでいた私はパソコンに触れたくて仕方なかった。
初めて外に出た
1,2週間経つと急に男子の人数が減ってきたので、私は職員にすすめられて多目的室に出てみた。
そこには同い年の男子一人しかいなかった。
一人だけで、しかも同い年ということで少し不安が消えた。
前にも書いたが、こういう施設に来る児童は問題児ばかりだと思っていたので、話してみたら優しそうな子だったので拍子抜けした。
あまり詳しくは書かないが、その子自身より家族のほうがあれらしい。
なんだか、まだまだ自分の知らない家庭のかたちはたくさんあるんだな、と子供ながらに思った。
することが一気に増えた。
卓球を職員も含めてみんなでやったり、プラバンを作ったり、刺し子をしたり、たまに勉強を教えてもらったりした。
そうして過ごすうちに初めて私以外に女子が入ってきた。
押される私
2つ下の小学生だったのだが、あきらかに自分のことを同等か、それ以下に見ていたな。
気が弱い自分も悪いのだが、いじめられてしまったのだ。
おそらく、毎日同じような日を送っているのが退屈だったのだろう。
いじめより楽しいことが見つからなかったのかもしれない。
- 職員がいないタイミングで舌打ちや、悪口
- 寝るときは布団をギリギリまで離す
- 眠くなるまで舌打ち攻撃
当時の私は自殺が頭をよぎるほど、精神が限界に達していた。
今までもそうだったが、相手からの攻撃がエスカレートすることを恐れて、なかなか大人に相談できなかった。
だが、本当に限界だったのだと思う。意を決して職員に相談することにした。
初めての相談
大人を信じていなかった当時の私は、言っても無駄だ。自分の気持ちなんて分からない。という考えばかり持っていた。
相談をした理由は、場所が場所だったからだ。
学校なら家に逃げ場がある。だが、一時保護所内では起きてから寝るまでいじめっ子と一緒にいなければならないのだ。
自分の精神のためにも、一番話しやすい職員にすべてを話した。
職員「わかったよ、じゃあ今から〇〇ちゃんに注意してくるから」
すんなりいった。大人を通すとこんなスムーズに進むのか。と大きな発見だった。
しばらく部屋で待っていると、外から小さい泣き声が聴こえた。
職員から
「〇〇ちゃんが謝りたいって言ってるから聞いてあげて」
本当に驚いた。終わる時は急に来るのだ。
部屋の外に出ると、小学生が泣きながら謝ってきた。
正直されたことを許せる自信はなかったが、表面上は許したことを示していじめは終わった。
その後、1週間ほどで小学生は帰っていった。
期限付き
あとで調べて分かったことだが、一時保護所には原則2か月しか居られないらしい。
2か月が経とうとするある日
職員から別の施設に移ることを聞かされた。
まだ家に帰れないことに絶望した。本当に落ち込んだ。
施設の簡単な資料を見せてもらいながら、頭の中は再び祖父への恨みで充満していた。
どんだけ突き放すのか。自分はいらないのか。
このあたりから急激に自分の存在理由が分からなくなってきてしまった。
次に行く施設は児童養護施設なのだが、長くなりそうなので分割して書いていこうと思う。
次はもう少し楽しい感じの内容を書きたいと思っているので、時系列が飛ぶと思う。
マイペースに書いていきます。
キノくま